ダブルスリット-波
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ダブルスリット-波
古典的なダブルスリット実験
この実験は波の典型的な性質である干渉という現象の図解に使われます。
源Qは、ひとつの仕切Sにぶつかる波を作り出します。この仕切は二つの狭いスリットを持っていて、そしてそれ以外のところは透過できません。仕切の後ろの波の干渉は測定器Dによって測定されます。
図1: ダブルスリット実験のスケマティックな表示。
このスリットは、それぞれのスリットを通過する波の部分を別々に調べることができるようにするために、個々に閉じることができます。
この実験の目的は、個々のスリットからの二つの波の部分の互いの影響(=干渉)をデモンストレートすることです。
ダブルスリットの後ろの干渉模様の観察
波のダブルスリット干渉模様
一様な波(例えば、一定の振動数の光)を、二つの細いスリットを持っていてそれ以外は不透過な仕切に当ててみましょう。仕切の後ろには、振幅が大きい領域と小さい領域からなる干渉模様が作られます。
このフィルムはダブルスリットの後ろの干渉模様を表しています。干渉は個々のスリットから放射された波の部分を加えることによって発生しています。
実験的な配置は、それぞれのスリットで作られたものが同じ振動数、同じ位相を持っていることを保証しています(つまり、それぞれのスリットで振動は規則的に生じます)。
一つのスリットにおける波の回折
個々のスリットの寄与を分離して観察して考えて、そして対応する波の部分を加えると、二重スリット実験における干渉模様を説明できます。
片方のスリットを閉じれば、一つのスリットの寄与を見ることができます。回折によって、それぞれのスリットの後ろには、ほぼ円形の波頭が発生します。これらの二つの波の場を加えると、二重スリット実験の干渉図が現れます。ある一点で、片方の図の波の山がもう一方の図の波の谷と一緒になると、それぞれの波の場が消えます。
ダブルスリット-粒子
粒子のビームを使ったダブルスリット実験 - 実験のセットアップ
二重スリット実験はまた、粒子のビームを使って実行することができます。
ひとつの源Qが
粒子の流れ
を生み出します、ひとつの仕切Sの上にぶつかります。仕切はふたつの狭い隙間を持っていて、それ以外は通過できません。この仕切の後ろの粒子の密度はひとつの測定器Dによって測定されます。
ダブルスリット実験のスケマティカルな表示
個々の隙間を通過する粒子のビームを別々に調べることができるように、この隙間は別々に閉じることができます。
この実験の目的は、個々の隙間からのふたつの粒子のビームの相互の影響(=干渉)を調べることです。
二重スリットにおける粒子の流れ
粒子の非常にたくさんの集団がダブルスリットにぶつかります。
ダブルスリットの後ろのある領域の中に見いだされる粒子の数は
ひとつのスリットを通してそこに来る粒子の数
足す
もうひとつのスリットを通してそこに来る粒子の数です。
言い換えれば:
ダブルスリットの後ろの粒子の密度というのは、
ひとつのスリットが閉じられた時の粒子の密度
足す
もうひとつのスリットが閉じられた時の粒子の密度です。
個々のスリットの後ろの粒子の密度
我々はふたつのスリットを持った仕切のところに小さな粒子のビームを送ります。狭い隙間を通過する粒子たちは、隙間の縁との相互作用によってあらゆる方向に散乱されます。
まず、ひとつの隙間を閉めた時の仕切の後ろの粒子の密度を示します。
仕切の後ろでは全ての方向にほぼ一様に散乱されることが分かります。粒子の密度は隙間のところで最大になり、あらゆる方向に向かって減少します、何故ならより大きな範囲に粒子が散らばっていくからです。
両方の隙間を開いたら何が起こるでしょうか?
粒子によるダブルスリット実験に対する古典的予測
古典物理から予測されるダブルスリット実験の粒子の密度:ひとつのスリットをそれぞれ開いた実験での粒子の密度を、単純に足せばいいだろう。
ダブルスリットのところに粒子の流れを当ててみます。粒子の流れの断面はスリット間の距離よりも大きくなければなりません。ダブルスリットを通過していく粒子たちは、異なった方向に散乱されます。ダブルスリットの後ろではどのような粒子密度の分布を我々は期待するでしょうか?
上の図は古典物理からの予想を示しています:個々の実験からの粒子の密度が足し合わされてダブルスリット実験の粒子密度になります。
D粒子の流れを使ったダブルスリット実験 ー 実験結果
素粒子(例えば電子)の流れによるダブルスリット実験の実行において、古典的な予測に反して、粒子密度に対して次のような結果が得られました。
ダブルスリット実験での粒子の密度に対する実験結果
多くの方向において高い粒子の密度を見いだします、他の方向(暗い領域)においては、粒子の密度は、しかしながら、ごく僅か、あるいはゼロです。
粒子の密度の分布は「干渉模様」を示します。これは波によるダブルスリット実験における波の振幅の分布と似ています。本質的な違いは以下のとおりです:ひとつの隙間においては粒子の密度は決して波の構造を知りません。干渉模様においては、消える領域と強くなる領域があります。強くなる領域においては、しかしながら、広がっていく方向への波の模様はありません。
粒子のダブルスリット実験 ー 運動量依存性
粒子の密度における干渉模様は粒子の運動量に左右されます。運動量が大きいほど干渉の縞の数は増加します。
この画像は入射する粒子の運動量と干渉模様の依存性を示しています。運動量が増えるにつれて、干渉縞は細くなります。
注意:もし粒子がダブルスリットを通過する時に弾性散乱すると仮定するならば、運動量の方向だけが変化し、その値は変化しない。仕切の背後の粒子は、入射する粒子の流れと同様の、同じ値の運動量を持っています。
以下のことが観測されます:粒子を使った実験において、干渉模様は運動量に依存しており、それは干渉模様が波を使った実験において波数に依存しているのと同様です(ごく僅かな粒子の密度もしくは強度を持つ模様の位置と数)。干渉模様に関して言えば、運動量と波数が対応しています。波数というのは、波長に反比例します、というのは、波数は波長に反比例するので、運動量は波長と以下の関係で結びつくことになります。
p = const. / λ
ダブルスリット干渉 - 古典論的極限
寄与する粒子の運動量の値が大きくなるにつれて、干渉模様は一層細くなります。ごく細い干渉模様はしかしながら測定できない、粒子が入射する測定器が一定の大きさの開口部を持っているからです。粒子がごく僅かな運動量を持っている粒子の流れにおいてのみ、特に、ごく軽くてゆっくりとした粒子(低エネルギーの素粒子)において、明確な干渉模様が見られます。
巨視的に見られる粒子においては運動量はあまりにも大きすぎます。現れるであろう干渉模様は観測されるためには小さすぎます。粒子の密度は古典的な粒子の密度と異なりません。
粒子を使ったダブルスリット実験
粒子のダブルスリット実験においては、粒子の流れが二つの密度を持った。個々のスリットが非常に狭い時には、壁の後ろには二つの扇状に広がって互いに重なり合う粒子の流れが生じます。重なる領域においては、個々の流れは観測可能な波の構造は示さないのにもかかわらず、粒子の密度は干渉模様を示します。
観測1: 干渉は粒子の間の力から生じるわけではありません。
粒子の流れは薄いと仮定されています。薄い粒子の流れにおいては、個々の粒子は本質的にあたかも単独の粒子であるかのように運動します。我々は従って、干渉現象の原因として粒子の間の相互作用の可能性を除外します。
干渉模様は流れの中の粒子の相互作用からなるのではない。
観測2: 個々の粒子の運動は完全にランダムです。
薄い粒子の流れにおいては、個々の粒子はあたかもその経路において単独であるかのように運動します。我々がひとつの粒子で実験を行ったなら、どうなるのでしょう?
我々はダブルスリットを持った壁に向かってたった一個の粒子を送ります。個々の粒子に対しては全ての実験の単位は個々の粒子が厳密に同じ条件のもとで送られるように正確に繰り返されます。
仕切の後ろではダブルスリットを通過してきた個々の粒子が個々に記録されます。
最初の粒子はひとつの与えられた位置に見いだされます。。。
二番目の粒子はどこか別の位置に記録されます。。。
実験条件を正確に再現しても、粒子の観測される位置は完全にランダムです。
ひとつの粒子の道に関しては、予言することができないのです! 粒子の位置はランダムに広がってしまうのです。
しかしながら、十分にたくさんのこのような個々の実験を行った時には、観察された位置の分布において再び干渉模様を見いだします。
個々の粒子の事象の合計を通して干渉模様が生じます。干渉というのは一粒子の現象なのです。
極端に薄い粒子の流れにおいては、厳密にこのような状況があります。ひとつの粒子は次の粒子が粒子のソースから送られるより前に事実上デテクターの中に消えています。いつでも、非常に高い確率で、たったひとつの粒子が経路上にあります。
このような状況で干渉模様を観測するためには、十分に長い時間を待たねばなりません。そして仕切の後ろにある粒子は長い時間かけて記録しなければなりません。多くの領域においては他に比べてより高い頻度で粒子を見いだします。ある特定の場所には粒子は決して到達しません(つまりそこでは、干渉によって"禁止"されています)。個々の場所で発見された合計の粒子の数を灰色のトーンで表します。干渉模様が再び得られます。
現代的な量子力学においては、干渉模様は個々の粒子の運動の性質であるという観点に立ちます。粒子が目的地に到達するためのいくつもの可能性を持っている時に干渉というのはいつでも生じます。(ダブルスリット実験においては、粒子に対してふたつのスリットが開いた状態です)
観察3:干渉というのは全ての対象において生じる。
粒子が光子であろうと電子であろうとあるいはもっと大きな粒子であろうと同じです、原理的にはダブルスリット実験においてはそれらは干渉を示します。最近、非常に大きな分子(「フラーレン」、C60分子で、60個の炭素原子からなっていてフットボール型 に配置される)によるダブルスリット実験が行われました。そして干渉模様が見られました。
